WEBデザインスクールを卒業した人が仕事をもらうための方法

今回の記事は「WEBデザインスクールで勉強をしたのでホームページ制作の仕事をしたい」と考えている人向けの記事になります。
まず初めに、なぜこのようなメッセージを書こうと思ったのか。
弊社は現在、協業パートナーを募集しておりませんので、営業メールをいただいてもお返事をしていません。返信せずに申し訳ない気持ちがありつつも、メール数が増えてくると返信だけで仕事の時間が失われるからです。
昔、私自身も営業職を経験しているので、「せっかくメールしたのに返事すらくれないのか…」とイヤな気持ちになってもらいたくないと思って、今この記事を書いています。
それともう一つ、メールの内容に共通して気になることがあり、僭越ながらフィードバックというか、受け手側の感じていることをお伝えしたかったというのも、この記事を書いている理由になります。何かのきっかけになって仕事の獲得に繋がるといいな、という想いを込めて。
WEBデザインスクールの案件獲得マニュアルに忠実な結果
最初は講師から言われた通りに実践することがベストだと思います。もし教えてもらった方法で成果が出なかったときは自分で作戦を練り直しましょう。
営業メールのテンプレート
たぶん皆さんはスクールで教わった営業メールのテンプレートに沿ってメールを作成されていますよね?スクールの他の卒業生の方も全く同じ文章で営業メールを送っていることにお気付きでしょうか?
ホームページ制作会社の営業先リストのピックアップ方法も皆さん同じですので、制作会社側としてはほとんどスパムメールのように同じ内容のメールが何通も送られてくる印象を受けてしまいます。
テンプレートは参考程度に、自分で考えた内容の方が相手の心に響く確率が上がると思います。
ポートフォリオがCanvaで全員同じデザイン
営業メールのテンプレートと同じことなのですが、皆さんほとんど同じデザインをサンプルのポートフォリオとして添付されています。卒業作品は勉強した成果として、それとは別に自分で一から考えたオリジナルのデザインを作成してみることをおすすめします。
それと、Canvaで営業資料を作成されているのですが、できればご自身の契約したサーバーで独自ドメインを取得して作成し、それを実績とするのが一番自然に【ホームぺージを制作できる】実力をアピールできるかな?と思います。
ホームページ制作を請け負うのに「自分のホームページすら作っていない」のは違和感を感じてしまいます。
また運用にあたってどんなメンテナンスが必要になるのかを自分自身が経験しないと、制作後のトラブルに繋がりかねません。ホームページに関する全体像(基礎知識)を理解していないデザイナーさんに仕事を依頼するのは、発注者側のリスクになるので、いくら価格を安くしても敬遠されがちになると思います。
どんな自己アピールが有効なのか
営業を始めたばかりの頃は実績がないので、自身の能力を信用してもらうために過去の経験をアピールすると思うのですが、その際に話が誇張されていると感じることが多々あります。
習得した技術と勉強時間や経験が見合っていない場合、すでに習得している(経験している)相手にはすぐにばれてしまいます。そうなると「信憑性に不安があるな」と、そっと距離を置かれてしまいます。
経験が少なく実績がない場合は、人一倍勉強する誠実さと伸びしろをアピールする方が適正な評価を受けやすいと思います。そのためには小手先のテクニックを覚えるよりも、コツコツと地道な努力を続けている実績が必要ではないでしょうか。どんなサイトでもいいので、とにかく卒業後にも制作数をこなすのがおすすめです。
「受注できないから作れない」ではなく、自分自身のホームページ以外にも、例えば地域の情報サイトや、興味または知識のある業界のポータルサイトを運営するなど、受注しなくてもホームページの制作は無限にできるはずです。
自分の力で仕事をもらうための具体的な方法
営業メールについて色々と見解を述べましたが、実際のところWEBデザインスクールを卒業して営業メールだけで仕事をもらえるようになる人は、ほんの一握りの才能がある人だけだと思います。
実際に完全にゼロから独学でWEBを学び、仕事をもらえるようになるための例を挙げてみます。よくあるスクールの宣伝のように「あなたも3カ月でWEBデザイナー」になるのは無理です。未経験者が勉強を始めて1~3年計画くらいのイメージになります。
個人で活動されている知人のホームぺージを制作
大前提として自分のホームページの運用を行いつつ、次に目指すのは知人のホームページの制作を請け負うことをおすすめします。制作費は無料で作らせてもらえたら良いかと思います。
いきなり企業のホームページを制作するのは責任が重く、経験やスキル不足が懸念されますので、ここでのポイントは営利活動ではなく、趣味やサークルで「簡易的なお知らせが出来ればOK」という方向けのホームページ制作です。万が一のトラブルが発生しても損害が発生しないレベルにとどめます。
「無料で作れば損しないんだから作らせてよ」という意識は絶対にダメです。ミスによって金銭的な被害が出なかったとしても、信用に傷をつけてしまうことはあり得ます。途中で頓挫すれば、知人の時間や労力を奪うことにもなります。
信用問題に関わるという意識を持った上で、自治体の回覧板代わりのサイトや、仲間内だけが見るだけのサイトなどを思い浮かべて、作らせてもらえるよう知人に交渉してみましょう。
ホームページの制作ではなくピンポイントの更新や修正
自分の身近な人の非営利活動のホームページを制作させてもらったら、しばらくは経験を積むために運用を行い、その後にお金をいただくことに挑戦すればいいと思います。
もし経営者の知人がいれば、簡易的な更新作業をさせてもらえないか交渉し、経営者が身近にいない場合は「ココナラ」「ランサーズ」「クラウドワークス」などのオンラインで仕事を受注できるサービスを利用します。
初めて知人以外の仕事を受けることになるので、リスクを最小限に抑えるために修正案件や簡易的なトラブル対応から着手するのがおすすめです。
まずは信用を得るのが一番
更新作業や修正作業で何度も依頼をもらえるようになり、信用を得られた段階でタイミングを見てリニューアルの打診をしてみてはいかがでしょうか。営業活動が苦手な人でも自然にアプローチできるはずです。
それまでの間に相手がホームぺージに求めていることなどを少しずづリサーチすると良いと思います。
ホームページ制作以外に戦力になるWEBスキル
「ホームページを作るだけ」であれば、ノーコードツール(プログラムがわからなくてもHP制作できるサービス)の普及により、年々その難易度は下がっています。
しかしホームページの制作を検討している企業は「ホームページを作るだけ」ではなく、「ホームページを作って売上を上げたい」と考えています。そこで、ホームページの反響を増やすための武器となるスキルの習得を勉強することをおすすめします。
こちらのスキルに関しては今回の記事から少し脱線してしまうので、簡単に説明します。
ホームページを分析する力
Googleアナリティクス、サーチコンソールというツールを使って、ホームページがどんなキーワードで検索されているか、どのページが閲覧されているか、逆にどのページで興味を失われているかを調べて、改善する方法を考える力です。リニューアルの提案にはとくに重要になります。
ホームページを検索上位表示させる力
ターゲットとなるお客様の調べそうなキーワードを考え、実際にそのキーワードで検索したときに自社ホームページを上位(最初の方)に表示させるための力。SEO対策とも呼ばれています。このスキルがあればホームページがお客様の目につく可能性が上がり、無料で広告を出しているような効果があります。
ホームページから注文や問い合わせをもらう力
ホームページの内容、構成を設計する力です。見やすいデザイン、興味をひく写真、連絡したいと思わせる文章を考えます。マーケティング、ライティングといった分野を学ぶことで力が付きます。市場のニーズを把握してホームページで何を訴求すれば反響があるかを理論的に導き出します。
最後に
後半のWEBスキルについては、習得するまでに年月がかかりますが、根気強く勉強と実践、トライ&エラーを繰り返しましょう。
これからAIがどんどん発達して、ノウハウを得ることは簡単になりますが、ノウハウを簡単に使いこなせるようになるわけではありません。「知っている」のと「できる」の違いには大きな差があります。
今回の記事を読んでいただき、少しでもインターネットを活用できる人が増え、経済が回ってみんなが潤うようになれば嬉しく思います。